『図書館の評価について : 図書館における新たな指標LibQUAL+の概要とその実例』に行ってきました。
場所は獨協大学。新図書館が数年前に建設されたとのこと。今どきのトレンドは網羅されていて、学生も結構使ってる風で、なかなか評判よさそう。自動書庫は今更アピールしないのかな?学食でPasmoが使えたのが印象的。なんだけど、学生証は独自のICっぽい。
で、肝心の講演会ですが、講演者はリポジトリなどでお馴染みの佐藤義則先生と慶應義塾大学の市子みどりさんです。
テーマは最近、注目のLibQUAL+®ということで、当ブログでも何度か触れてきましたが、さらに知識の肉付けということでジックリと拝聴してきました。
■LibQUAL+®って?図書館品質評価?
http://shokoame.blogspot.com/2009/04/libqual.html
■LibQUAL+® 追加情報
http://shokoame.blogspot.com/2009/05/libqual.html
印象的だったことだけ箇条書きで。
■LibQUAL+®と大学図書館のサービス評価
東北学院大学文学部 佐藤義則
従来の紙資料のサービスからeJournal、eBook、Googleへ変化している
その中でも特にeJournalは着実に伸びている
人文分野は、紙資料の販売が低下してきているため、eBookに積極的に転換してきているのが特徴的
■SCREAL:学術図書館研究委員会
http://www.screal.org/
SCREALの調査では化学、生物、医歯薬の順でeJournalが使われている。最下位は人文学
eJournalを読む場所で多いのは研究室で、図書館は移動中の車、電車よりも少ない
eBookへのニーズも確かにある
■Online Catalogs: What Users and Librarians Want
http://www.oclc.org/reports/onlinecatalogs/
OCLCの調査から明らかになった図書館員と利用者の期待のずれ
目録の機能で最も重要なのは?
図書館員→重複レコードの統一
利用者→オンラインコンテンツへのリンク
利用者はブラウザですべての行動を完結させたい
にも関わらず図書館ポータルは素通りされている
→適切な計画と実行が求められている
インプット、アウトプットだけでなくアウトカム(成果)が求められている
→だからこそパフォーマンス指標
ただし、問題の解決策を指示することはない!
評価には顧客の視点が必要だろう
顧客中心の視点
・どれほどうまくいったか?
・どれほど丁寧か?
・どれほど反応が良いか?
・どれほど満足したか?
単なる顧客満足度調査では大体良い結果が出るのは当たり前
→図書館はアップルパイや母性と同じ
だからこそ満足度でなくサービスの品質を評価すべき
提供側と顧客の間には常にギャップがある
そこでLibQUAL+®
結果の分析と行動が必要
フォローアップ調査が必要
回答(図書館を利用)しないヒトのことも考える必要がある
他の図書館と比べてランキングするのは無意味
■慶應義塾大学におけるLibQUAL+®の実施とその評価
慶應義塾大学理工学メディアセンター事務長 市子みどり
実際の実施事例の紹介
目的:利用者ニーズを把握しサービスの改善をはかる、時期中期計画策定の材料として
ポスター、プロジェクタ放映などでPR
参加者に景品(大学グッズ、iTunesのプリペイドカード)
リマインダメールが効果的
こういう調査は得てして・・・
経営論ではなく評価論に終わりがち
評価の低いものから改善、対応策に終始する可能性
図書館の進化のための人材作成のために、アセスメントの文化づくりをしたい
文理による特徴的なコメント
理・ILLのスピード、コストに注目
文・職員の上から目線がイヤ
以下感想
コンソーシアムということが佐藤先生の話の中で少し触れられてたかな?
我が社のような弱小大学では3200ドルもどうかな?という感じです。似たような館種、規模の図書館でコンソーシアムを組んで、500ドルくらいで実施できたらやっても良いかも?
質問とその翻訳が公開されてれば、自分でも出来そうな気がする?他館との比較ができないのがイタいかな?佐藤先生が同じようなことをYahoo!でやると50万円くらいかかるって言ってたけど、探せば安いのもあるような気がするんだけど?
なんにしても、日本での普及が先決かなー?って言うか、日本独自のシステムを誰かが考えないかな?