2009年6月26日金曜日

『図書館雑誌』6月号 その1

■図書館雑誌 2009年6月号(Vol.103 No.6)
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jla/zasshi2009.html

個人的には大変興味深い特集でした。特集名は「ウェブ検索時代の目録」。

執筆者もお馴染みの方ばかりですが、Next-Lの話題は落ちてるんですね。

中でも個人的に注目したのが

OPACの使われ方を変革する:林賢紀
利用者中心の設計-次世代OPACの登場-:宇陀則彦


の2文献です。どちらも利用者視点ってのが利用者サービス担当としてはグッドです。

今日はその1ということで林論文をレビュー。印象的だったクダリを。

1.「買うか借りるか」のサービスを提供できるknezon
2.OPACは「在庫管理システム」から進化していない
3.Amazonを書誌ユーティリティとして使用できる図書館システム

結論
・OPACへの入口を増やす
・他のサービスと連携しこれを利用する

1.については、OPACにAmazonを取り込めば何とかなるか?そもそもOPACと書店のウェブサイトは使命が違うんだから当たり前っちゃ当たり前。

2.は、まったくもって激しく同感。旧態依然してるよねー。だからって、いわゆるWeb2.0の概念を取り込んでも、そこに図書館としてのオリジナリティを出さないと結局は後追いになるのかな?

3.はそんなのあるんだー!って感じですね。参考文献にリンクはありませんでした。実現の可否は別として、書誌作成はAmazonに依存して、所蔵情報だけをローカル情報として持てれば、図書館システムとしては最低限機能すると思うから、今後注目かな。

結論についても激しく同感。入口の件は既に実行してるつもり。連携は・・・これから何か考えます ^^;

あー、OPACの充実した図書館システムにリプレースしたいなー。

2009年6月18日木曜日

ヤマ超えました

久しぶりのぼやき更新です。

今日は主催会議と主催説明会、ルーティンワークも今日が締切りだったりして、かなりのテンぱり具合でした。大きなイベントの宣伝したり、久しぶりにACCESSのVBA書いたり、ホント盛り沢山。明日と月曜の出張のために宿題もやらにゃイカんし、夏まで続く出張地獄もこれからが本番です。そんな一日でも大きなヤマは主催説明会でしょう。

段取りから司会、演者までやってるんだから・・・。ただ、リハ不足の割には話したいことをちゃんと話せたかな、と。身内相手のプレゼンなだけに失敗は許されなかったからさ。

そうそう、いつから壊れてたかは分からんけど、サーバがイカれてて、代替サーバの準備もしてたんだった!まだ完全復旧してないんだよなー。ヤマ超えてまたヤマだな…。

2009年6月13日土曜日

『図書館の評価について : 図書館における新たな指標LibQUAL+®の概要とその実例』に行ってきました

『図書館の評価について : 図書館における新たな指標LibQUAL+の概要とその実例』に行ってきました。

場所は獨協大学。新図書館が数年前に建設されたとのこと。今どきのトレンドは網羅されていて、学生も結構使ってる風で、なかなか評判よさそう。自動書庫は今更アピールしないのかな?学食でPasmoが使えたのが印象的。なんだけど、学生証は独自のICっぽい。

で、肝心の講演会ですが、講演者はリポジトリなどでお馴染みの佐藤義則先生と慶應義塾大学の市子みどりさんです。

テーマは最近、注目のLibQUAL+®ということで、当ブログでも何度か触れてきましたが、さらに知識の肉付けということでジックリと拝聴してきました。

■LibQUAL+®って?図書館品質評価?
http://shokoame.blogspot.com/2009/04/libqual.html

■LibQUAL+® 追加情報
http://shokoame.blogspot.com/2009/05/libqual.html

印象的だったことだけ箇条書きで。

■LibQUAL+®と大学図書館のサービス評価
東北学院大学文学部 佐藤義則

従来の紙資料のサービスからeJournal、eBook、Googleへ変化している
その中でも特にeJournalは着実に伸びている

人文分野は、紙資料の販売が低下してきているため、eBookに積極的に転換してきているのが特徴的

■SCREAL:学術図書館研究委員会
http://www.screal.org/

SCREALの調査では化学、生物、医歯薬の順でeJournalが使われている。最下位は人文学
eJournalを読む場所で多いのは研究室で、図書館は移動中の車、電車よりも少ない
eBookへのニーズも確かにある

■Online Catalogs: What Users and Librarians Want
http://www.oclc.org/reports/onlinecatalogs/

OCLCの調査から明らかになった図書館員と利用者の期待のずれ

目録の機能で最も重要なのは?

図書館員→重複レコードの統一
利用者→オンラインコンテンツへのリンク

利用者はブラウザですべての行動を完結させたい
にも関わらず図書館ポータルは素通りされている
→適切な計画と実行が求められている

インプット、アウトプットだけでなくアウトカム(成果)が求められている
→だからこそパフォーマンス指標

ただし、問題の解決策を指示することはない!

評価には顧客の視点が必要だろう

顧客中心の視点
・どれほどうまくいったか?
・どれほど丁寧か?
・どれほど反応が良いか?
・どれほど満足したか?

単なる顧客満足度調査では大体良い結果が出るのは当たり前
→図書館はアップルパイや母性と同じ

だからこそ満足度でなくサービスの品質を評価すべき

提供側と顧客の間には常にギャップがある

そこでLibQUAL+®

結果の分析と行動が必要
フォローアップ調査が必要
回答(図書館を利用)しないヒトのことも考える必要がある

他の図書館と比べてランキングするのは無意味

■慶應義塾大学におけるLibQUAL+®の実施とその評価
慶應義塾大学理工学メディアセンター事務長 市子みどり

実際の実施事例の紹介

目的:利用者ニーズを把握しサービスの改善をはかる、時期中期計画策定の材料として

ポスター、プロジェクタ放映などでPR
参加者に景品(大学グッズ、iTunesのプリペイドカード)

リマインダメールが効果的

こういう調査は得てして・・・
経営論ではなく評価論に終わりがち
評価の低いものから改善、対応策に終始する可能性

図書館の進化のための人材作成のために、アセスメントの文化づくりをしたい

文理による特徴的なコメント
理・ILLのスピード、コストに注目
文・職員の上から目線がイヤ

以下感想

コンソーシアムということが佐藤先生の話の中で少し触れられてたかな?
我が社のような弱小大学では3200ドルもどうかな?という感じです。似たような館種、規模の図書館でコンソーシアムを組んで、500ドルくらいで実施できたらやっても良いかも?

質問とその翻訳が公開されてれば、自分でも出来そうな気がする?他館との比較ができないのがイタいかな?佐藤先生が同じようなことをYahoo!でやると50万円くらいかかるって言ってたけど、探せば安いのもあるような気がするんだけど?

なんにしても、日本での普及が先決かなー?って言うか、日本独自のシステムを誰かが考えないかな?

2009年6月10日水曜日

『ライブラリアンのためのWeb of Scienceアップデート』行ってきました。

『ライブラリアンのためのWeb of Scienceアップデート』に行ってきました。

主催はトムソン・ロイター。Williams F1のスポンサーです。ってのはどうでも良いか ^^; オフィスは赤坂のタワービルの最上階ですか。都会です。

わが社はWOSを導入してないので、聞く話しの中心はJCR。特に新指標の5年IFとアイゲンファクターに注目でした。

以前にかたつむりさんの記事を読んで、なんとなく情報としては頭の片隅にあったし、この論文『学術情報をめぐる新たな評価指標』もそこそこじっくりと読んだはずだったんですが、結局、「ホー、ホー」って感じで、初めて聞くような感じでした。かたつむりさんも来てましたね。懇親会で挨拶させられてるし ^^

・数学などの分野は引用される期間が長いため、5年IFの方が数値が高くなる可能性が高い
・影響力のある(IFが高い?)雑誌に引用される雑誌は重要というコンセプトのEigenfactor
・EigenfactorもIF同様、分野を超えた数値の比較は無意味

印象的だったのはそんなところでしょうか。結局のところIFは雑誌を評価するひとつの指標に過ぎずに、物事、多面的な評価が必要ってことですね。

直接のライバル(と当人達は言いませんが)のScopusとの比較も興味深かったです。「出版社に中立なコレクション・デベロップメント」とは言うものの、JISCによる比較(下図)によると9000誌が重複タイトルなんですね。



Scopusにエルゼビアのタイトルが多いのは当然だと思えるか、そうでないかってことですか。

1900年からの引用情報が得られる、ってのも弱小大学ではそこまで古いデータを買えるとも思えないしねー。とは言え、質が高いデータベースということは、言わずもがなで理解できます。

ひとまずResearcherIDEndNote Webも試してみます。時間があったら・・・ :p

2009年6月5日金曜日

リンクリゾルバ欲しい

昨日、某社さんから商品の営業がありました。いろいろと興味深い商品があったわけですが、一番興味をひいたのがリンクリゾルバだったりします。我が社の導入電子リソースの目玉はScopusなんですが、どこまで有効活用されてるかはイマイチ微妙なんです。そんな状況の中にリンクリゾルバを導入して、どれだけ使われるかも微妙なんですけどね。

4月からILLを担当してるわけですが「学内所蔵あり」「電子ジャーナルあり」でのキャンセルが結構な割合であるんですよね。申し込みフォームは数年前にILL担当だったころに自作したもので、OpenURLに対応したりで結構な利用頻度なんです。申し込む前にOPACの検索結果を表示させたりして、それなりに関所を作ってるはずなんだけど、そんな状況で・・・。

自作のフォームでは図書館システムのILLにデータを自動で流し込むことができないから、フォームも図書館システムのものを使いたいんだけど、OpenURL対応はオプションだって。見積もりを依頼してる最中だけど、よっぽど安くないと、今年度中の導入は難しいかな?このフォームを購入しないと、リンクリゾルバを導入しても、あんまり意味ないしなー。

なんだか支離滅裂ですが、明日も出勤です。

2009年6月2日火曜日

例題にチャレンジ!

■企画「例題にチャレンジ!」
http://crd.ndl.go.jp/jp/library/documents/challenge.pdf

レファレンス協同データベースで、例題にチャレンジしてみましょう、という企画です。
例題は下記の5つ。

(1) アメリカ文学だと思うが、「スイッチピッチ」という作品の翻訳が出されているのであれば読んでみたい。どうすればよいか。

(2) 脱サラしてラーメン屋を始めたい。参考になる資料は?

(3) タイタニック号を作った会社名を知りたい。また、タイタニック号が出港した日、沈没した日も知りたい。

(4) 「ロミオ、ロミオ。あなたはどうしてロミオなの」というセリフは有名だが、これは誰が訳したものなのか。

(5) 喫煙について授業で取り上げたいので、すぐに教材に使えるものはないか。ビデオ等、映像があればなお良い。図書館になければ他の機関でも良い。

別に応募する予定はないのでWikipediaで(3)を調査。

製作は「ハーランド・アンド・ウルフ」
出港日は1912年4月10日
沈没日は1912年4月15日

と、ここまではどーでも良くて、評価は青山学院の小田先生ですか。うーん、懐かしい。

4年生の時に司書課程を取りたいと、ノコノコ研究室に行ったら、ケチョンケチョンに言われてねー。何とか単位を取れる手はずは整えてくれたものの、結局免許課の不手際で司書資格に必要な単位がもらえないしね。まぁ、今となっては良い思い出です ^^;